『母』を描いた画家にスポットを当てて、その人生と作品を深掘りします!一人目は、明治から昭和にかけて活躍した上村松園。おしゃれが好き、絵を描くことが大好きだった少女はいつしか絵筆一本で食べていくことを決意をし、周囲の嘲笑や妬みなどを乗り越えて、珠玉の美人画を描く屈指の画家になりました。松園の歩んだ人生と、それを支えた母・仲子について紹介します。

子を抱く青眉の女性と、後ろに描かれた見事な御簾。松園が自身の母・仲子を偲んで描いた傑作です。
母子 1934年
上村松園 (東京国立近代美術館)
もう一人ご紹介するのはアルプスの画家・セガンティーニ。壮絶な幼少期を経て、幸せな家庭を手に入れた人生の後半に、セガンティーニが描いた母子の絵は、背筋が凍るほど異様な作品。なぜ、これを描いたのか、この作品の背後に込められた意味を探ります。

凍りつくアルプスの大地、木に縛り付けられている女性の姿。女性の胸元には赤子の頭が描かれています。
悪しき母たち 1894年
ジョヴァンニ・セガンティーニ
(オーストリア・ギャラリー)
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